■机・イス支援■

机・イスをめぐる事情
 ヌー郡・ムイ郡の多くの小学校は、机イスが不足しており、ケニアで一般的に見られる2人掛けの机イスを3〜4人で使用することは一般的です。低学年のクラスに机イスがないこともしばしば。また、身体に合わないサイズの机イスも見られます。適正な机イスに着席して正しい姿勢で授業を受けることは、効果的な学習につながるだけでなく、身体の健全な発達のためにも重要です。

 ヌー郡・ムイ郡の多くの小学校では、保護者は、最初の子どもが小学校に入学するときに、机イスを学校へ納入します。その机イスは、学校の公共財として、当人の子どもと限定せずに使用されます。一方で、お金がなくて入学時に納入できない保護者や、長期間に渡って納入しない保護者もいます。机イスの納入は、保護者の義務ではありますが、子どもの入学の条件ではないようなのです。このような中、机イスがないからといってCanDoのような外部者が学校に机イスを供与してしまったら、これまで各学校で行なわれていた机イス納入に関する保護者間の相互協力や調整の営みを乱し、保護者間に不公平感を助長してしまう危険も考えられます。

支援のルール
 このような状況を踏まえ、CanDoでは現在、既存の机イスを修理して有効利用するために、机イスの修理に取り組む意欲のある学校に対して必要な作業工具を供与し、作業を行なう保護者への技術指導を行なっています。また、学校が新しく恒久的な教室(泥壁、萱葺きの仮設教室は対象外)を建設した場合は、その新教室のために机イスが急に大量に必要となることや、保護者は教室建設という大仕事を終えたばかりということから、学校の要請に応じて机イスを供与しています。