■教科書配布■

事前の話し合い


  小学校支援の中で、まず実施したのが、対象地域の全小学校への教科書配布でした(1998年)。郡の役人や教育担当官との話し合い、全小学校長やPTA代表との会議、学校訪問調査などを通して、不足が深刻で地域からの要望も高かった教科書を配布することになったのです。「ケニア政府推薦の教科書は、実際の授業ではとても使いにくい」という意見が出てきたこともあり、1校ずつ訪問し、教科書選びについて、校長だけでなく教員や保護者からも意見を聞き、話し合っていきました。また、車両が入れないような場所に小学校があることもあるので、運搬についても話し合いました。教科書を安全に保管するための倉庫や本棚の確保、破損したときの修繕や新しい教科書を購入するための積立金について、など、様々なことを事前に話し合いました。

購入・梱包
 話し合いに基づいて決定された配布教科書を、いよいよ購入。出版社から届いた教科書は、CanDoナイロビ事務所で学校毎に仕分けし、1冊ずつ参照番号を表示したラベルを貼りました。あまりの多さに一時は事務所の床が見えなくなるほど。この作業には、多くのボランティアの協力がありました。また、現場での積み下ろしや運搬には、多くの保護者が手伝ってくれました。

教科書贈呈式
 贈呈式には各小学校から校長と保護者・生徒の代表が集まりました。住民からのあいさつでは、「これからは『教科書がないから…』という言い訳は通用しなくなる。教員・保護者ともに最大限の努力を計りたいと思う」