■環境事業 小学校を基点とした実践的環境活動■

環境意識を高めるために
 CanDoではヌー郡での調査の結果、環境問題への意識を高めるために、まず小学校への環境活動から入ることにしました(2000年)。モデル事業を行なう6校を選出、資材の提供や助言を行ないました。各種のワークショップも開催。そして始まった各学校での活動は… ◇ ヌー、キリク、カーイ小学校:学校菜園と植林(ヌー小学校では、後に気象観測も開始) −用地の柵作りから活動開始。トマトやキャベツなどを栽培し、苗木移植や苗床での種まきも実施。 ◇ ムアンゲニ小学校:植林 −苗木を保護者に配布して、地域へも活動を波及させています。 ◇ ムトゥル小学校:木工・手工芸(後、養蜂も開始) −男子は、周辺の樹木でイスなどを製作。女子はバオバブの繊維でひもを編み、かご作り。炭や植物の実で染色もします。 ◇ カビンドゥ小学校:養蜂(後、学校菜園も開始)

「理科」との関連づけと、環境活動・研究発表会
 環境活動を充実させるため、2001年より、理科との関連付けを強めることにしました。その一環として、環境活動を活用した理科教育の成果を生徒が発表する研究発表会を、郡レベルで開催しています(年1回)。初年度は、モデル事業の5校の生徒が、ヌー郡の小学校の生徒と教員(26校約300人)を前に、展示と実演・発表を行ないました。テーマは「植物の科学」「リサイクル」「天候」「土壌流出・保全」など。発表した生徒は理科が好きになり、生徒を育てた教員は自信を深め、聞き手の生徒や教員は触発されたという話が、あちこちで聞かれました。

 自立的に多くの小学校で環境活動が行なわれ、研究発表会が開催されるには、教員どうしの協力の場が重要と考え、2002年には理科教員フォーラムの設立を地域に提案しました。そして発足したフォーラム(郡内28校中22校が参加)の代表メンバーが、研究発表会の運営委員会を形成し、2002年の研究発表会を主体的に開催。6校が展示発表、25校540人が参加した会が開かれました。

活動の自立へ向けて
 2002年に設立された理科教員フォーラムは、地域で自立的に環境活動が実施されていくための第一歩でした。事業資金の問題で、2003年4月に当会から地域への環境活動の支援を休止することを決めたとき、学校が自立して活動を継続することを見守りながら、その後の展開を検討していくことにしました。実際、当会からの支援無しにも、各学校でできる範囲の活動が続けられました。

◇ ムアンゲニ小学校:マンゴを発芽させ、苗木育成。 ◇ ヌー小学校:手作りの気象観測機器を生徒が作成。周辺2校を招待しての校内研究発表会も実施。 ◇ ムトゥル小学校:木工活動で机の修繕を実施。  モデル事業実施校以外にも、研究発表会を開いたり、土壌保全活動を試みたりする学校もあり、環境活動が根付き始めています。しかし、全郡レベルでの研究発表会については、2003年度は実施されませんでした。