1999年のケニアの概況
干ばつから都会では電力不足、村落部では農作物の不作の問題
(2000年3月・会報第10号より)

1998年にエルニーニョ現象の影響で記録的な豪雨を経験したのに対して、99年は雨が極端に少なく、ケニア全土で干ばつが大きな問題となった。

都市部でナイロビをはじめとする都市部では、
電力の主要な供給先であるダムの水位が下がったために、計画停電が行なわれた。CanDo事務所のあるナイロビ西の郊外の住宅地域では、火・木・土の週3回午前8時から午後1時まで停電した。これは工業地帯やビジネス街にも適用され、ケニアの経済に大きな打撃を与えたと言われている。

停電中のビルの会社で、
パソコンやコピー機が使えずに仕事が止まってしまい、社員が途方に暮れている様子がよくみられた。

村落部で
村落部では、農作物は不作で、また家畜も被害を受けて、深刻な飢きんとなった。一番被害を受けるのは育ち盛りの子どもたちだ。小学校では、長期欠席や中途退学が増加した。

「前の日から何も食べていないので、勉強に集中できず、教室でぐったりしている子どもたちが多い」
と先生から聞いた。 WFP(世界食糧計画)の支援による学校給食がない小学校で、特に生徒数は大きく減った。ある小学校では、学校に来ていない子どもたちが、裕福な家の畑で働いて小銭を稼いだり、毎日食料を探しに山へ行って果物や小動物を獲ったりしていたそうだ。 11月から雨が降り出し、12月には青々とした畑が広がった。

*2000年2月2日、WFP(世界食糧計画)は、ケニアの降水量不足のため、300万人近くが飢えに直面する恐れがあると警告。4340万円の拠出を各国に求めている。(ナイロビAP)





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