ムインギの「ミックス・ジュース」(2004年9月・会報第28号より)

「今週もムインギで暇がなくて、フルーツジュースを飲めなかった!」
最近、調整員の口からときどきこんなつぶやきが漏れます。ムインギ県の県庁所在地であるムインギ町は、この2年ほどの間にかなり発展してきています。その変化の1つが、おいしい果汁100%ジュースを冷やして出してくれるお店の出現です。パッション、マンゴ、パイナップル、アボガド、パパイヤの5種類と、好みに合わせたミックス・ジュースがあります。CanDo活動地のヌー村やムイ村には電気はありませんが、ムインギ町には電気が通っていて、おかげで冷蔵庫もあり、暑い中、冷えたおいしいジュースを飲むことができるのです。お店で果物から絞って作っているので、ジュースは新鮮なことこの上なし。調整員に誘われて、おっかなびっくり飲んでみたケニア人コンサルタントたちも、今では大のお気に入り。

このジュース屋さんには、3人の従業員がいます。1人は海岸地方のモンバサ出身。ムインギの人たちが日常使っているカンバ語は話せません(ケニアの国語はスワヒリ語)。1人は海岸とは反対の、ケニア西部のキスム出身のルオー人。そしてもう1人は、ムインギからさらにソマリア国境の方へ150km近く行ったガリッサという町の出身。彼は、半分ソマリ人、半分パキスタン人の血が混ざっているそうです。ムインギからモンバサへ出稼ぎに出る人が多いというのは聞いていましたが、モンバサやキスムといった大都市からこんなムインギへやって来る人たちがいたなんて…。

もう1つ新しくできたお店が、いわゆる「スーパー」。お店に置いてあるものを見ていると、ナイロビをそっくりそのまま持ち込んできたようです。店員は客に品物の説明をするのに大忙し。今までムインギになかったものがたくさんあるからです。
このスーパーはアラブ系の人が所有しているビルに入っています。ムインギはもともとカンバ人の土地ですが、ムインギ町ではソマリ人の人口がかなり増えていて、海岸地方に多いアラブ系の人も多く見られます。アラブ系の人たちの多くは裕福で、このスーパーの所有者もアラブ系。ムインギの発展の原動力は、残念ながらカンバ人ではなく、アラブ系のようです。



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