セミナーに求めるものは・・・(2004年12月・会報第29号より)

皆さんはどんなことを求めて、セミナーやトレーニングに参加しますか? 情報や技能など、何か自分の役に立つもの? 新しい人に出会えること? あるいは、仕事など日常の忙しさから離れ、リフレッシュできること?ケニアでは、「手当」を受け取れることも、セミナーやトレーニングに参加する大きな魅力となっています。今年の8月、全国紙「The Nation」にこんな記事が載りました。

「公務員が、職場の地域以外の場所で開催されるセミナーに参加する場合、今後は『細々した現金支出』に対する手当は支給されない」。つまり、これまでは「手当」として現金が出ていたということです(交通費はまた別の扱いです)。

「ただし、食費への手当として1日あたり1,000シリングは支給される」と続きます。1,000シリングといえば1,400円程度ですが、物価が違う日本だったら約1万円に相当するような金額です。これまでは「細々した現金支出」に対する手当も加わっていたわけです。セミナーの内容への関心の有無にかかわらず、参加したいと皆が望むのも当然です。

こういう「手当」に慣れている行政担当者は、NGOが地域で活動しようとするとき、セミナーやトレーニングが実施されて自分たちが参加することを期待します。

講師として、まとまった額の講師料を稼ぎたいという人もいます。多くは参加者として、手当を受け取りたいということでしょう。その思惑にそわない活動に対しては、「手当をもらえないなら協力しない」という態度に出ることがよくあります。もちろん、全ての役人にいえるというわけではありません。

CanDoは、「地域のために、政府とパートナーとして活動しているのだから、手当は出さない」という方針で活動しています。しかし、活動地のムインギ県に異動で新しい担当者が着任するたびに、何度でも説明しないといけないのが現実です。それに対して、「手当を出さないならこの地域から出ていけ」と言われることすらあります。
「パートナー」として活動することの難しさを感じる毎日です。



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