私たちにとっての開発
代表理事 永岡 宏昌
(1998年4月・会報第2号より)

「私たちCanDoは、アフリカの開発に協力します」−

この表現は受け取る人が持っている「開発」のイメージによって、さまざまに理解されるのではないでしょうか。「開発」という言葉はいろいろな文脈の中で用いられます。長い視点でアフリカの開発に取り組もうとしているNGOとして、どのような考え方で活動するか、を明確にする必要があります。今回の原稿をきっかけとして、みなさんの考えを聞かせていただきたい、と思っています。

地域の人々の、そして次の世代、また次の世代の「よりよい生活」を

人々が「より豊かな」「よりよい」生活を築き上げていくためのさまざまな活動が「開発」といえるのではないでしょうか。担っているのはその地域に暮らす人々です。その人たちが地域で抱える問題点をとらえ、努力や工夫をしていくことによって、生活が少しでもよくなること。そして、この「よくなったこと」が次の世代、そしてまだ生まれていない世代の人々にとっても「よいこと」である−それが開発であると考えるのです。

 「開発」にはたす役割

そのような「開発」のなかでの私たちの役割は、地域の人々の身近な「友人」となって一緒に考え、状況を確認しながら、必要な物資・技術・知識などを適切な時期に投入することだと思います。当初から特定の技術やプロジェクトを持ち込むのではありません。地域に住み込み暮らしながら、「よりよい」状況を作り出すのに必要なことを、ともに探していくべきだと考えます。その規模は、私たちがかかわることができる範囲になります。一方で、住み込むスタッフが地域の一員となることばかりに意識を集中すると、その社会に埋没してしまって、改善すべきところが見えなくなってしまうという問題も考えられます。そのことから、早い時点で、地域の人々と協働で「開発」の事業に取組むことが大切です。

調査と話し合いの結果、ムインギ県ヌー郡では、小学校の基礎教科書の充実や教室の増改築については、必要性が確実にあると判断しました。これらの事業を行なうことで、地域の人々との信頼関係を築き、新たな「開発」へと展開していけることを期待しています。

ホームへ戻る