「1998年度を振り返り、1999年度について考える」
代表理事 永岡 宏昌
(1999年2月・会報第6号より)

1998年1月に設立したCanDo-アフリカ地域開発市民の会が活動する地域として選んだのが、ケニア共和国東部州ムインギ県ヌー郡です。ケニアの中でも貧困であるといわれるこの地域で、地域の人々が自ら豊かな社会について考え、それを実現するために自らが主体的に取り組む「総合的な開発」に協力していくことを原則としました。活動分野として教育・保健医療・環境保全を視野に入れて開始しました。

1998年度は、最初の事業として、ヌー郡内の2教育区にて全小学校へ教科書を供与しました。これは、当会が、この地域の教育環境を改善することにニーズがあると判断したことと、地域の多くの人々も共通して教育問題を深刻に捉え、改善の努力を行なっている状況であったためです。当会と地域社会とで行なう最初の共同事業としてふさわしいものであると考えました。1年間の活動を通して、地域住民および行政関係者との信頼関係の第一歩を築くことが出来ました。

また、将来、活動分野を広げて「総合開発」に発展させていくための準備として、ヌー郡の環境調査の実施および、住民が建設しているヌー郡ムイ診療所への協力も行ないました。

一方、ナイロビにおいては、スラムの高校生への奨学金の給付業務を行ないました。

1999年度は、ヌー郡内の残る2教育区への小学校教科書供与を完了し、それに加えて教室建設や教員のトレーニングの実施を計画しています。そうすることによって、地域の人たちがさらに教育環境の改善に積極的に取り組んでいくような動きを作っていきたいと考えています。教室建設では、教科書供与に比べて、住民に対して事業への参加の度合いを高く求めていくことになります。 また、環境保全および保健医療についても、将来の事業化にむけて、住民の参加度を高めながら、さらに準備をすすめていきたいと思います。

奨学金事業では、日本での奨学金基金の募金からナイロビでの給付ならびに高校生へのカウンセリングまでをCanDoの事業としていきたいと考えています。この事業を通じてスラムの問題、都市と村落との関係を調査し、将来のスラム事業への展開を検討したいと思います。

日本においては、特定非営利活動促進法(通称:NPO法)による当会の法人化を進めたいと思います。


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