「1999年度を振り返り、2000年度について考える」
代表理事 永岡 宏昌
(2000年3月・会報第10号より)

当会が、ケニア共和国のなかでも貧困な地域とされる東部州ムインギ県ヌー郡・ムイ郡で総合的な開発への協力を始めて2年間が経過しました。地域の人々が自らえがく「豊かな暮らし」を、自らの力で実現するために協力していくということを常に考えて活動してきました。この開発協力の導入事業と位置づけたのが、地域全域を対象とした小学校への教科書配布や教室建設です。そこへの支援を実施しながら、地域の住民や行政担当者との円滑な関係作りや、当会の活動姿勢が地域社会で理解され受容される環境作りをめざしてきました。

また、総合的な開発のために教育とともに重要な分野として環境保全および保健をとらえ、これらの事業形成もめざしてきました。教育・保健・環境保全の分野で共通することは、地域住民が長期的な視点をもって地道に活動に参加する必要がある点です。

1999年度は干ばつに近い状況の中、労働力の提供などで多くの住民が参加
1999年度は4月期の雨季の降雨がなかったため干ばつ的な状態が続きました。日々の生存をつなぐための食糧確保を優先しなければならない厳しい状況でした。そのなかでも、当会の協力する教室建設や診療所拡張事業に労働力の提供の形で多くの住民の参加が得られたことは大きな成果です。
また、ナイロビにおいて当会の事業として、スラム地域に生活する高校生への奨学金支援を行ないました。
ケニアでも日本でも正式にNGOの法人格認められ、新たな一歩を踏み出しました。

2000年度も住民の積極的な参加による教育、保健、環境保全の活動を
2000年度も教室建設を続けますが、住民の参加を労働力の提供といった面の充実ばかりでなく、ソフト面でも積極的な参加を求めるよう努めます。小学校支援では、教員の教授意欲の向上や保護者の教育への関与度合いを高めるための研究集会やその他の活動に取り組みます。また、保健分野では、住民が拡張したムイ診療所を自ら運営する制度づくりや、この診療所を拠点とした住民主体のプライマリ・ヘルスケア(基礎保健医療)活動の確立への協力を実施します。環境保全事業については、小学校を主体とした環境教育・保全活動の確立をめざします。


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