「2000年度を振り返り、2001年度について考える」
代表理事 永岡 宏昌
(2001年3月・会報第14号より)

2000年度は、将来、国際開発協力の分野で活動することを希望している日本人を、インターンとして本格的に当会の事業に受入れました。業務内容を決める際には、実務経験の蓄積と、当会への協力とが両立できるように配慮。ナイロビ事務所の運営から、ヌー郡やスラムの事業、また受託事業まで幅広く協力をえて、今年度の事業を実施しました。

また、ヌー、ムイ郡の主要な民族グループであるカンバの文化と言葉を理解する、ケニア人専門家の協力もえられました。

その結果、ヌー郡では引き続き、小学校教室建設が、多くの住民の参加をえて、順調に展開しました。また調査をふまえて、小学校での環境活動・教育を開始。この事業を通じて教員の教授意欲と保護者の学校への関与度合いの向上にも取組みました。ナイロビのスラムでは、特定の高校生への奨学金支援から、一般高校生を対象とした休暇期間中の補習授業クラスの開設へと展開しました。

しかし、さまざまな問題にも直面しました。教室建設では資材管理が行き届かず、ムイ診療所では住民の参加による運営制度づくりが進みませんでした。また、ヌー郡で雇用したアシスタントの育成がうまくいかず、これらは2001年度の課題となりました。

2001年度は、3月に設立当初よりの事業調整員が任期を終了し、インターンからスタッフとなった人たちが事業を担当します。教室建設は対象地域をヌー郡のみからムイ郡と2郡に拡張し、環境活動・教育はモデル校における定着と教科教育との関連づけに取組みます。また、保健分野では、ムイ診療所の運営体制の確立に並行し、キティセ診療所を拠点とした住民によるプライマリ・ヘルスケア活動の確立へ協力します。ナイロビのスラムでの高校生対象の補習授業を継続します。

これらの事業において、当会は住民自身が主体的に地域の開発に参加することをめざしていきます。住民が長期的な視野をもつようになること、行政と地域社会および地域の住民グループ間の適切な協力関係を作り出すことに対して、役割を果たしていくことも目標としています。また、教育・環境・保健の各事業は、包括的な地域開発事業の部分ととらえ、相互の関連づけを重視していきます。


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