「2001年度を振り返り、2002年度について考える」
代表理事 永岡 宏昌
(2002年3月・会報第18号より)

2001年度は、活動を担う人たちのかかわり方に変化と進展がありました。

まず、日本人インターン3人がスタッフとなり、調整員としてそれぞれ教育、環境、保健の事業を、ケニア人専門家の協力をえながら進めたことです。

ヌー郡の教室建設において、資材管理に問題が生じたため事業を中断するような緊張関係が生じました。しかし、地域リーダーが問題に向かって、解決に至りました。

一方、環境事業では、教科教育と関連づける形で小学校に環境活動を紹介する一環で、生徒による研究発表会を開催しました。生徒の積極的な姿勢は、県教育局長からも高い評価を得るほどでした。

ムイ郡で開始した教室建設および机・いす支援に関して、ヌー郡での経験から、保護者との話し合いを慎重に行ないました。事業の実施主体であり資材管理の責任者であることの自覚を促すことができたと思われます。

保健事業では、基礎保健トレーニングを実施することで母親へ焦点をあてることができました。また、幼稚園を拠点とした幼児育成事業の実施可能性を調査し、担っている幼稚園教員が抱えている問題をはじめ、状況が明らかになりました。

これらの活動を当会と共同して遂行することで、仕事の手応えや業績の向上を感じるのか、積極的に協力する教育官や行政官が目立つようになりました。一般にケニアの公務員はNGOと連携することで個人的な利益を求めることが多いとされ、ヌー郡、ムイ郡でも同様の状況がみられます。その中で、こういった公務員が増えることも事業の成果といえるでしょう。

 2002年度は、教室建設をヌー郡、ムイ郡で並行して実施します。教員トレーニングおよび環境活動・教育は、ヌー郡を中心としつつ、ムイ郡での準備活動を開始。保健事業は、グループ活動の形成を促がしながら、包括的な保健活動をめざします。幼児育成では、ムイ郡で幼稚園を拠点として教育と保健の分野に配慮した事業を検討。ナイロビのスラムでの高校生対象の補習授業を継続します。

これらの事業を通して、引き続き、住民自身が主体的かつ長期的視点にたって地域の開発活動に参加することを目標としていきます。また、公務員とNGOの適切な関係作りとともに、行政と地域社会および地域の住民グループ間の協力関係を作り出すことに対して、役割を果たすことも目ざしていきます。

ホームへ戻る