「2002年度を振り返り、2003年度について考える」
代表理事 永岡 宏昌
(2003年3月・会報第22号より)

2002年度は、総選挙に関連してか、県知事から郡の各行政官まで数多く異動しました。そのため、新任の担当官への事業の説明と合意形成に時間を費やすこととなりました。

教育では教室建設・補修について、既存の事業でも新たに行なうための話し合いでも、主に保護者の参加に関連して、全般的に遅延が生じました。補修にあたり現地資材の調達量が少なく、外部資材の購入金額が大きくなる学校に、その一部を負担するよう初めて提案し、合意しました。

環境保全では、環境活動と理科の研究発表会開催で、資金調達を除く企画から準備・実施まで、教員が責任の主体として取り組めるように進めました。しかし、7月の発表会後に取り組んだモデル校での環境活動の強化は、教員ストライキのため十分な成果をあげることができませんでした。

保健医療では、ムイ郡で一般の母親への基礎保健トレーニングを繰り返し実施しました。参加者が学んだことを実践していることも、近隣の家庭へ伝達していることも確認できました。 2003年度は、新政府となり、国民重視が打ち出され、特に初等教育については無料教育が強調されて、ヌー郡、ムイ郡においても期待が高まっています。また、新たな行政官の異動と、新政策の確定を待つ姿勢などから、当面、合意形成に時間を要する事態が続くようです。

教室建設・補修は、前年と同様に、保護者による相応の負担と具体的な責任分担を原則として継続して行ないます。学校によっては、これまで負担していた建設職人の給与を当会が受け持つことへの期待もあるようで、さらに慎重な合意形成が求められます。
ヌー郡での環境活動・教育は、モデル校の活動の強化、教員の相互学習から環境活動の波及、そして、環境保全に直結する学校から家庭への波及などを目標としています。また、ムイ郡における本格的な活動の開始をめざします。
ムイ郡における保健医療の展開として、伝統助産婦の育成、幼稚園教員への保健トレーニングに取り組みたいと考えています。

ナイロビのスラムにおいて、次の段階の活動を引き続き探っていきます。


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