「2003年度を振り返り、2004年度について考える」
代表理事 永岡 宏昌
(2004年3月・会報第26号より)

2003年度は、前年末に成立したキバキ政権による新政策の調整期間といえます。

ムインギ県において、当会事業への協力に対する報酬を求め続けていた行政官の圧力が高まりました。最終的な手段として県知事に仲裁を求めたところ、「行政官は、本来業務の一環としてCanDo事業へ無報酬で協力すべきである」という表明がありました。事業への評価もあるでしょうが、行政官の綱紀粛正の影響が大きいと思われます。

教育事業では、無償教育政策に関連して政府による教室建設を保護者が期待し、年度初めには教室建設・補修への参加意欲が低下しました。しかし、次第に現実への対応がみられ、年度末には多くの学校で活動が始まりました。 幼児育成を事業として開始し、ムイ郡で教材供与や幼稚園教員への保健トレーニングを行ないました。

環境活動・教育では、当会事業は休止となりましたが、ヌー郡の小学校では自立的な環境活動の継続が確認されました。

保健では、ムイ郡での母親への基礎保健トレーニングがほぼ完了しました。伝統助産婦トレーニングの参加者選出は試行錯誤の状況で、今後の課題となっています。

2004年度は、ヌー郡で3年間の包括的な基礎教育改善事業を開始し、2006年度での教育事業の完了を目指します。 教育事業では、ヌー郡で幼稚園舎も含めて、教室建設・補修の必要性の高い優先校を教育関係者が決める基準作りから協力します。ムイ郡でも事業を継続します。 幼児育成では、ムイ郡で幼稚園教員への能力向上トレーニングと幼稚園で保健活動が行なえるように協力します。ヌー郡では、事業が可能かどうかみるために調査します。

環境活動・教育では、ヌー郡・ムイ郡とも、従来のモデル校への集中的な協力ではなく、意欲がある多くの小学校が参加でき、学校間の教員協力が促進される事業形態の確立を目指します。

保健では、ムイ郡で基礎保健トレーニング修了者をパートナーとして、地域に支えられた伝統助産婦の育成や幼稚園での保健活動の形成など保健活動の展開。ヌー郡では、小学校での保健活動を行なうかどうかを考え、まず、学校でのエイズ教育の実態と必要性の調査を行ないます。

ナイロビのスラムにおいては、高校生を対象にした補習授業を続けながら、次の段階の活動を引き続き探っていきます。


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