2004年度(2004年1月-12月)を振り返り、2005年度(2005年1-12月)について考える
代表理事  永岡 宏昌
(2005年3月・会報第30号より)

 2004年度は、3年間の予定でヌー郡での「基礎教育改善事業」を開始しました。これは、教室建設などの継続事業に、学校保健など新たな事業要素を加えた形で、包括的な事業展開をめざしています。

 教室建設・補修については、当会が蓄積してきた経験と地域社会側の理解の向上などにより、これまでになく円滑な事業進捗を達成することができました。

 環境活動・教育は、保護者参加の保障や教員の自発的な活動形成に課題を残すことになりました。

 新たな事業では、学校保健への取り組みを検討するなかで、地域社会で深刻化・日常化しているエイズ問題へ対応することに取り組むことにしました。その第一歩として、的確な情報をもとに地域社会がエイズ問題を考えるきっかけとなるよう、小学校でエイズ啓発ワークショップを始めました。教員と保護者、地域住民を対象としています。

 ムイ郡では、基礎保健トレーニング修了者をパートナーとした保健事業を展開しました。地域に支えられた伝統助産婦の発掘と育成をはじめ、2003年度の課題に進展がみられました。また、幼稚園教師の保健意識の向上が確認されました。

2005年度は、ヌー郡では包括的な基礎教育改善事業の2年目になります。教室建設・補修や環境活動・教育を継続します。

 そして、小学校を基点としたエイズ啓発ワークショップから、教科とエイズ教育を関連付ける教員トレーニングへと展開します。また、幼稚園教師への保健トレーニングと保健活動形成への協力などに取り組みます。

 ムイ郡では、当会の基礎保健トレーニング修了者、伝統助産婦、幼稚園教師などを主体とし、相互に連携する保健活動の形成に協力します。

 これらの協力関係のなかで、新たにエイズ問題も視野に入れていきたいと考えます。小学校では、教室建設・補修の積極的な展開、エイズ啓発ワークショップの開催、環境活動の形成などをめざします。

 そして、ヌー郡の事業終了も視野に入れて、新たに隣接するグニ郡での事業形成をめざします。

 ナイロビのスラムにおいては、高校生を対象とした補習授業を続ける中で、地域社会で再現可能な事業となるよう検討を続けます。また、課題である次の段階の事業を、引き続き探っていきます。


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