2005年度を振り返り、2006年度について考える
代表理事 永岡 宏昌
(2006年3月・会報第34号より)

 2005年度は、これまでの教室建設・補修の経験をもとに、多くの教室の建設と補修に取り組むことにしました。10月より1年の期限を設けて、ムインギ県ヌー郡、ムイ郡の26教室の建設、または相当する補修を実施することになりました。幼児育成では、体重計と健康カードの供与により、幼稚園で成長の記録が普及し始めました。
 地域住民が、エイズ問題を深刻な脅威として急速に認知するようになったと思われるのに呼応して、当会もエイズ問題への取り組みを強化しました。保健トレーニング修了者へのエイズトレーニングの追加や保健トレーニング内容の変更、地域の大人たちを対象としたエイズ学習会の開催、小学校でのエイズ教育の促進などに取り組みました。
 エイズ問題は、地域住民が深刻に捉え、具体的に知ろうとする一方、さまざまな理由があると思いますが、校長はできれば避けようとする傾向にあります。このように校長と住民の意向とが異なる場合、校長のみを窓口とした事業展開には限界があります。住民にも直接働きかける関係作りも並行して行なうことの重要性を確認することになりました。
 地域的には、ムインギ県グニ郡への事業展開が本格化しました。

 2006年度は、ヌー郡での総合的な事業展開を完了することになります。2005年11月ころの雨季の降雨がムインギ県全域でほとんどなかったため、深刻な干ばつのなかでの事業となります。当会がめざす住民の社会的能力の向上につながることを考え、干ばつ下の事業展開を慎重に検討します。
 また、それぞれの小学校と、通学圏内の村々をまとまりとする学校地域社会を明確に意識し、それぞれとの関係作りをすすめて、相乗効果を期待します。
 教室建設・補修については、2005年度に設定した目標の達成を目指します。
 幼児育成では、幼稚園での成長の記録の普及と継続化を基盤として、保健活動の充実と、保健事業との連携をすすめます。保健については、基礎的な保健知識・技能に基づく保健活動、ならびにエイズ問題に対処できる学校地域社会の形成を目指します。
 地域としては、ヌー郡での事業の収束と、グニ郡でより発展させることを目指します。
 なお、ナイロビのムクル・スラム群での高校生対象の補習授業については、対象者ならびに地域社会の参加度への疑問から事業の休止も含めた見直しを行ないます。


ホームへ戻る