特定非営利活動法人アフリカ地域開発市民の会
2009年度(200911日~20091231日)

活動報告

2009年のケニアは、前年の選挙後騒動によって露呈した課題に、ゆっくりだが、取り組んできているように思える。警察官による様々な違法な殺害が行なわれた事実を、6月のジュネーブの国連人権委員会でケニア代表が認め、9月には責任者として批判されていた警察長官の人事異動が行なわれた。選挙後騒動を計画・扇動した主要人物について、国内に特別法廷を設置して裁くことを模索していたが、国会議員の反対により実現できず、国際刑事裁判所にゆだねられた。自立的な解決ではなく、最善とはいえないが、ケニアの司法自体への不信から反対した議員もあり、ひとつの選択といえる。また、騒動の背景になった土地問題について、独立後の政治エリートたちが、本人やその家族の名義、会社組織などをとおして、白人農園主から広大な土地を取得した状況が、11月に具体的な事例として報道された。

汚職の問題は絶えない。12月には、小学校への無償教育資金について、教育省本省の役人が関与して、架空の研修、領収書の改ざん、小学校との不自然な送金などが確認され、主要ドナーからの教育分野への援助が停止していることが明らかになった。

行政機構の細分化が進んでいる。3月には、3ヶ月のうちに30県が全国で新設されて209県になったが、さらに、11月には255県になった。当会の事業地ムインギでも、10年前のムインギ県は、今では6県に分割されている。それにともなって、区と準区の新設がすすみ、区長や助役の公募と選任が行なわれている。これにより県の役割が変ってきたようだ。旧ムインギ県では、県知事が主宰する県開発委員会が、2つの国会議員選挙区を包括していたが、現在では、国会議員選挙区に開発基金が委託され、それぞれ3県の開発を担っている。すなわち、地域の開発に関する権限が、県知事から国会議員へ移行しているようにみえる。一方、現在すすめられている新憲法案の策定作業では、政治・行政機構の大幅な制度改革が提示されており、今後の予想がつかない状態である。

12009年度活動概要

当会は、19979月よりケニア共和国に日本人調整員を派遣し、東部州ムインギ県ヌー郡及びムイ郡において、地域住民自らが規定する「豊かさ」を達成する社会をめざし、住民の社会的能力向上を目的とした、総合的かつ持続可能な開発事業を実施している。本活動は、教育・保健・環境保全を統合する総合開発活動であり、この3分野での活動実施にあたって、地域住民の社会的能力向上をめざして、地域住民主導による事業形成と運営、地域住民・行政・当会の均衡のとれた協力関係の維持を共通する活動方針としている。また、事業を展開するなかで、それぞれの小学校(学校)と、通学する村々の集まり(地域)を「学校地域社会」という単位としてとらえ、学校から地域への知識・技能の波及、地域から学校への参加と監視など相互作用が、学校地域社会における総合開発の重要な要素と分析している。このため学校と地域社会それぞれに直接働きかける事業を並行して実施する。さらに、近年の対象地域でのエイズ問題に対する危機感・恐怖感の高まりに対して、対処意欲・能力を高めるためのフォーマル・ノンフォーマルなど様々な形でのエイズ教育も実施している。

2009年度は、当会のケニアにおける活動実施に携わった日本人は14名であった。ケニア人については、常勤・非常勤者7名を雇用した。また、建設・教育・環境・保健の各分野の専門家8名とコンサルタント契約を結び、質の高い事業実施を目指した。

2009年度は、深刻な干ばつ状況となり、住民は食糧援助や水汲みに関連した拘束時間が増え、出稼ぎが目立ち、当会事業への住民参加に少なからず影響を及ぼした。そのなかで、教室建設は、グニ郡3校での教室が完成し、うち2校は、小さな新設校で、資材収集の段階からきめ細かに協力し、少数の保護者ながら短期間のうちに教室を完成させることができた。小学校のエイズ教育では、教員研修の第3課程を形成することができ、研修とエイズ公開授業・子ども発表会までの一連の流れが完成した。住民への保健・エイズ教育では、男性対象の基礎保健研修を実施した。一方、研修参加者から周りの住民への情報共有が難しいエイズと安全な妊娠出産のための情報を提供する母性保護について、村長老の協力をえて、当会専門家が村々で公開学習会を実施することで、住民の参加がすすんだ。また、幼児育成では、多くの幼稚園で成長の記録作りが定着していることを確認し、新たな幼稚園での個別研修をとおした保健活動の促進を行なった。環境では、辺縁の山肌にある情報から遠く、土地荒廃の危険が高い村々を定期的に訪問して、環境学習会の実施と定着状況の確認を行なった。また、学校では、1小学校での環境活動形成に協力した。

休暇中の高校生を対象にしたムクル・スラム群での補習授業を4月、8月、12月の3回実施した。12月の補習授業においては、講師全員が当会の補習授業の参加経験者で、補習授業の運営について自主的に議論するなど、非常に高い意欲を持って補習授業の運営に関与してくれた。

2.学校:運営能力向上と教室建設(ヌー郡、ムイ郡、グニ郡)

2009130日、ムルカ小学校で最後の工程である床仕上げ作業が実施され、1教室プラス1基礎建設が完了した。また、ムルカ小学校は、教室建設の過程で資材出納帳を紛失したため、916日に郡教育官同席のもと保護者総会を開催し、資材管理と保護者の責任について話し合った。資材管理について当会が出納帳を除く他の資材管理書類を分析したところ、資材の使用状況に特段の矛盾は見られなかった。

また、近年、子どもが既存の小学校に通うことが難しい辺縁地域に、小学校の新設を認める傾向があり、教育機会の拡充の点からみて着目していた。そのなかで、近年幼稚園から小学校に昇格したゴーニ小学校、シュノー小学校への教室建設の協力を行なった。これら小学校は、保護者数も少ないため、それぞれの地域にある現地資材、個別の建設仕様と資材量を検討し、保護者の労働量の軽減に努めた。各学校では現地資材の収集が行われ、現地資材収集の完了したゴーニ小学校は422日、シュノー小学校は527日に覚書きを締結し、建設事業を開始した。2校は、ともに9月中旬に床上げを行って教室建設を完了した。ゴーニ小学校では水の収集が大変厳しいにもかかわらず、井戸の水を優先的に収集できるように手配を行うなど、工夫や努力が見られた。

さらに、ゴーニ小学校・シュノー小学校の経験をふまえて、新設校を対象として保護者の学校運営能力向上につながる各種研修を学校単位で実施しつつ、並行して、地域の資源状況を確認しながら教室の仕様を決定し、質の高い現地建設資材の収集を保護者が行ない、その後、教室建設の完了まで協力する新たな事業形態を形成した。この事業では、個別の対象校との話し合いから、教室建設の完了まで、1年半程度の期間を想定し、保護者の学校運営能力の向上への協力経験を蓄積する観点から頻度の高い定期的な学校訪問を予定している。

3.学校:保健(エイズ教員研修・公開授業・子ども発表会)(ヌー郡・ムイ郡・グニ郡)

・小学校教員対象エイズ教育研修

5
月の研修第2課程では、参加希望者数が1回の研修定員を上回ったため、2回に分けて実施し、計52名が修了した。

小学校教員を対象として、学習指導要領に沿って、エイズ教育を教室で実践できる能力・意欲を高めるためのエイズ教育研修を継続して実施した。

その第1課程は、理科を主題として扱うことで、すべての教科で扱われているエイズの理科的知識を、理科教員のみならず全ての教員が身につけ、かつエイズ問題をとらえる基本的視点を教員が獲得することをめざすものだが、2009年度は第23課程の実施を優先したため、実施しなかった。

2課程では、小学校低学年におけるエイズ教育に焦点を当てた。エイズ教育のなかで、高学年の理科において、HIV感染経路や感染予防、エイズ発症過程など理科知識を体系的に教えるが、その前段階である低学年においては、スワヒリ語や英語など言語科目のなかで、エイズ問題の様々な側面を題材として取り扱っている。それら題材を分析しても、学習者にエイズへの恐怖心を植え付ける結果につながる記述が多い。エイズが日常化している対象地域においては、「エイズを避ける」行動様式を身につけても、感染経路や感染予防の具体的な方法を理解していなければ、依然、感染リスクは高いものと思われる。さらに、恐怖心をもつことによって感染者や感染を疑う人々を社会的に排除しようとする行動が誘発される。このような点から、教員がエイズ問題について豊富な理科的知識とともに、社会的側面について地域社会や子どもたちのおかれている実情に即して適正に捉える視点を獲得し、授業を実践することが重要である。この低学年におけるエイズ教育の重要点である、高学年でエイズを体系的に学んでいく前段階として、子どもたちがエイズに対する適切な態度を身につけること、日常の授業の中で子どもの理解度と現実に合わせて実践していけるようになるため、教案作成やモデル授業も取り入れたトレーニングを実施した。

この第2課程では、5月の参加希望者数が1回の研修定員を上回ったため、2回に分けて実施し、計52名が修了した。

9月に、初めて第3課程を形成することができた。これまで、第1課程でエイズの理科的知識、第2課程で低学年に対する言語科目でのエイズ教育を扱ったが、第3課程では高学年に対するエイズ教育を扱った。ここでは、この思春期に達する年齢の子どもたちが身体的・精神的な発達を迎える過程で想定される危険、社会的側面を配慮しながら、子どもたち自身のライフスキル向上を促し、適切な行動や判断によって、そうした危険から自己や他者を守っていく力を養うエイズ教育の方法を探った。なかでも、ライフスキル教育について、教育省は、追加学習指導要領を作成し、小学校の全ての学年で体育の授業のうち週1コマをライフスキル教育にあてることが指示されたため、第3課程のなかでライフスキルについての理解を深めるセッションを形成し、さらに、ライフスキル教育とエイズ教育との関連付けを探った。

この第3課程の修了によって、3課程を全て修了した42名の教員に対して修了証を発行した。

・公開授業

6小学校における7回のエイズ公開授業に、当会専門家を派遣し、授業者(研修修了教員)への事前の助言や、公開授業の観察、授業後に授業者が参観教員に公開授業で取り扱ったエイズ教育の趣旨を説明し議論を深める振り返り会議へも参加した。この機会を通じて当会のトレーニング内容の振り返りと共有、他教員・子どもへの情報の伝達が為された。また、当会が授業の模様をビデオ撮影した記録が今後のエイズ教育のための教材として活用されることを目的とし、公開授業の実施校及び授業者に配布した。

・子ども発表会

6月から7月にかけて312小学校へ当会専門家を派遣し、子ども発表会準備のための個別研修を実施した。そのうち5校が、当会専門家を招待し、当会が推奨する形態での子ども発表会を実施した。準備のための個別研修は、当会エイズ研修の修了教員のみではなく、対象校の未参加の教員を交えて行い、当会専門家が発表会で扱う内容の要点・留意点を説明した。実際の発表会では、研修修了教員の指導を受けたクラスが、エイズの影響を受けた人々との共生を題材にした劇の発表が確認されたが、一方、未参加の教員からは、エイズ脅威のみを強調する教科書に記載されている詩・歌を、補足的説明なく子どもに発表させ、脅威の再生産に留まる事例もみられた。エイズとの社会的共生は、当会が各研修課程を通して強調している点の一つであり、発表会で集まった子どもたちや保護者、他の教員に対して適切な情報の発信がなされたといえる。

4.学校:幼稚園での保健活動の促進(ヌー郡・ムイ郡・グニ郡)

2009年度も、1月・2月にムイ、ヌー、グニ郡において146の幼稚園へ成長記録カード約2000枚とカード記載マニュアルとを配布した。5月~7月に3郡での保健活動のフォローアップとして、50幼稚園を訪問した。各幼稚園で、成長記録、学校給食プログラム(栄養)、衛生、水、トイレ、就学児童数、学習課程、関係者間の協力を確認して、助言した。

また、グニ郡の5幼稚園で、体重計供与と幼稚園教師・校長・保護者への個別の追加研修を実施した。

5.学校:環境保全(ムイ郡

学校で行われている環境活動の状況把握や意欲のある教員の発掘を行うため、20095月まで学校訪問を行ってきていた。ムワンブニ小学校で、学校菜園の活動を行うための学習会と道具供与、メイズのハイブリッド種子と情報の供与も併せて行った。長期休暇に入る際、学校側は菜園を囲うフェンスを強化させ、家畜の侵入を防ぐ工夫をしたり、保護者に協力を仰ぎ、水やりや雑草の手入れ等が必要な際や緊急時には校長に連絡が入り、即座に対応する体制を整えていた。

6.地域:保健・エイズ研修(ヌー郡・ムイ郡)

・男性対象基礎保健研修

当会は、これまでヌー・ムイ・グニ郡の一般女性を対象として、基礎保健トレーニングを繰り返し実施し、地域で本人や子ども、家族・隣人が健康に暮らすためのプライマリ・ヘルスケアに関わる知識・技能を広範に伝え、参加者間の健康のための話し合いの機会をつくり、地域にもどって、夫や家族、隣人への情報提供と健康につながる活動の実践を促してきた。一方、健康に関わる知識、とくに性交渉や出産に関わる知識が、男性に直接伝えられないことの弊害が度々指摘され、当会のトレーニングを修了した女性や行政官から男性を対象とした基礎保健トレーニングを要請され、その実施は長年の懸案であった。

2008年度のグニ郡での実施に引き続き、1月から5月にかけて、ヌ―郡とムイ郡にて2日間の男性対象の基礎保健研修を13回行い、計308名が参加した。トレーニングは、男性がエイズや保健について理解し、家庭や地域での実践につなげることを目的とし、一般的な病気とその予防法、安全な水の確保、栄養、母性保護や性に関する病気、エイズの基礎知識などを学んだ。

・リフレッシャー会議(振り返り会議)

1月から3月にかけて、ヌ―郡とムイ郡にてリフレッシャー会議を11回行い、計344名が参加した。この会議の目的は、当会の過去の研修参加者に対してエイズに関する知識の確認を行うこと、また、関連する最新の情報や知識、技能提供を行うことであった。さらに、参加者が取り組んでいる研修後の保健活動を確認することに努めた。

・村長老との関係構築

地域の保健に関わるいくつかの課題については、住民が対処意識を形成しにくい状況にあるものがある。エイズ問題については、エイズの脅威が強調されすぎて危機意識が高まりすぎたこと、また、性に関する問題を特定の人間関係のなかで話し合うことへの文化的な躊躇があることなどが、対処意識の形成の障害になっていると考えている。このことは、地域の保健問題は、地域のなかで保健知識・技能を深めていく「村の保健リーダー」を育成して、リーダーから一般住民へ情報が伝わっていくことのみでは解決につながらないことが示唆されている。対処意識が形成されにくい保健課題、例えば、エイズについては、この問題についての深い知識はなくても、エイズ問題を体系的理解することによって、日常生活のなかでHIV感染予防は可能であり、HIV陽性者との共存は可能であることを理解して、一般住民にエイズを学ぶことを勇気づけるリーダーシップの存在も重要であるといえる。

地域でこの役割を担うリーダーとして、特に、村長老に着目し、彼らとの関係構築に基づく公開学習会実施をめざして、「地域の健康のための戦略会議」を、ヌー郡・ムイ郡・グニ郡の20準区で開催し、232人の助役・村長老が参加した。

7.地域:エイズ・母性保護学習会(ヌー郡・ムイ郡・グニ郡)

2009年度、ヌ―郡、ムイ郡、グニ郡において地域住民を対象としたエイズ学習会を48回、妊娠出産に関する危険兆候や定期検診の意義などを学ぶ母性保護学習会を40回、計88回の公開学習会を実施し、累計1,301人の住民が参加した。2008年から公開学習会を開始したが、当初は、村長老と当会の研修参加者に準区ごとに集まってもらって「地域の健康のための戦略会議」を行い、村訪問、学習会という流れで実施した。しかし、当会の研修で保健知識を向上させた村人と一緒に戦略を考えることを快く思わない村長老が少なからずおり、村長老が当会のために村人が集まることに同意しないので、集まれないという意見が聞かれた。2009年度は、村の公的リーダーである村長老との関係構築を優先課題として、戦略会議は助役と共同で村長老のみを助役事務所に招集して実施した。しかし、村訪問では多くの参加者が集まるにも拘わらず、公開学習会の参加者が減少することが多く起きた。村訪問の際に簡単に行う専門家による保健話題の提供で十分に学んだと思うのではないか、と分析し、村訪問での保健話題の提供を省略したが、顕著な効果はみられなかった。干ばつのため、政府やNGOからの食糧配給に関わる住民の召集が頻繁に行なわれることや、水汲みの時間が大幅に増えていることが、住民にとって当会の活動へ足を運ぶことが負担になっていると分析した。そのため、公開学習会のみを行うこととした。公開学習会を導入と学習とに分け、導入では、当会の説明とエイズと母性保護の当日の学習課題にあわせたピーターとジェーンの事例話を行なうようにした。その後、原則として休憩をはさみ、学習の本題に入ることとした。この休憩は、村訪問で重視していた「情報に基づく同意」について、事例話を聞いて、参加する意思がない村人に退席する機会を与えるための休憩であり、参加意欲のある人のみ参加できるように配慮した。

8.地域:エイズ・母性保護学習会(ミグワニ県)

200911月より、新たな事業地として本格展開を検討しているミグワニ県において、最初の導入事業としてエイズ・母性保護公開学習会の開催準備を行なった。ミグワニ県の行政官との合意形成と、ミグワニ県の各郡や区に関する情報収集を開始した。

9.地域:環境保全(グニ郡・ムイ郡)

ムイ郡のなかで、辺縁の山肌にある情報から遠く、土地荒廃の危険が高い村々に対して、住民が気候変動に適応するための環境学習会として、有機農業と適正技術による土壌保全・土壌改善・袋を用いた野菜作り・植樹・乾燥野菜作りと野草の活用・害虫防除など行なっている。また、学習内容が生活に反映されるよう村訪問を繰り返し行ってきている。9月までに11村を対象に訪問・学習会を行ったが、情報収集や活動の定着状況等を踏まえ、10月以降は9村で活動を続けてきている。

グニ郡では保健グループ(キルイグループ)を対象とした環境活動を引き続き行っている。

10.学校:スラム補習授業(ナイロビ市ムクル・スラム群)

休暇中の高校生を対象にしたムクル・スラム群での補習授業を4月、8月、12月の3回実施した。4月は49名の生徒と4名の講師、8月は30名の生徒と7名の講師、12月は31名の生徒と6名の講師がそれぞれ参加した。

当会としては、講師たちが自立的に補習授業を運営していくことを期待しており、その点が補修授業の大きな課題である。12月の補習授業においては、6名の講師全員が当会の補習授業の参加経験者で、かつ補習授業を実施場所であるガトト小学校の卒業生であった。彼らは自主的に会合を持ち、補習授業の運営について議論するなど、非常に高い意欲を持って補習授業の運営に関与してくれた。講師の積極的な関与の結果、時には50%に満たないこともある授業料の回収率が96%に向上するなどの成果が見られた。

11.国内活動
11-1.広報活動
11-1-1.定期刊行物・ウェブサイトなど

会報「CanDoアフリカ」を4(4649)発行した。編集は佐久間典子理事が担当した。
ウェブサイトを利用して、組織・事業紹介、会員・寄付募集、人材募集などを行った。
会員対象メーリングリストおよび、国際協力関連のウェブサイトやメールマガジンやメーリングリストを利用し、勉強会開催やインターン募集等の広報を行った。

11-1-2.イベントへの参加

下記のイベントに参加・出展し、インターンOBOG、理事・会員有志、ボランティアやスタッフによる活動紹介、パネル展示、ケニアの民芸品の販売等を行なった。インターンやボランティアの国内広報活動への参加を促進し、イベントボランティア用オリジナルTシャツを着用して、アピールを行った。また、イベント内のワークショップコーナーなどでは、活動報告や人材募集説明会などを行なった。

51617日:アフリカン・フェスタ2009(東京)
1034日:グローバル・フェスタJAPAN2009(東京)

11-1-3.連続勉強会の開催

代表の永岡が、ケニアの人々が抱える課題について、歴史的経緯をふまえて紹介し、課題の解決に向けた人々の取り組みや、CanDoの事業を事例に外部者による課題解決に向けた協力の可能性についての検討を目的とし、「ケニアの人々が抱える課題と参加型開発協力の役割」のテーマで、4月から7月までの土曜日に10回の連続勉強会を行った。参加者は101名で、10回の延べ参加者数は195名だった。

【各回のテーマ・開催日】
1回(425日):   ケニアの歴史と民族問題、現在の課題
2回(52日):     ムインギ県の人々の生活と援助、CanDoの関わり方
3回(59日):     ケニアの教育史・制度と教育協力
4回(530日):    住民参加による教室建設
5回(66日):      住民への保健教育とプライマリヘルスケア
6回(613日):     エイズ基礎知識、ムインギでの課題と住民へのエイズ教育
7回(620日):     小学校におけるエイズ教育
8回(627日):     環境問題:砂漠化か、気候変動への適応か
9回(74日):       都市とスラムの生活
10回(711日):    アフリカの人々の生き様をみる視点

【会場】
(第1回〜2回)文京区立 汐見交流館
(第3回〜10回)文京区立 不忍(しのばず)通りふれあい館

11-1-4.報告会等の開催

ケニアでの活動を報告し、また、活動へ関心のある人々への参加の機会づくりとして、国内での報告会や展示などを行った。

3月5日~11日:千代田区地球市民講座2009 「アフリカを考える~紛争・貧困・教育・平和~」
 講演会と展示会(当会は展示会のみ参加)
516日:報告会「ケニアの小学校での保護者の役割」-教室建設からエイズ教育まで-
 (永岡/アフリカン・フェスタ内)

104日:インターン説明会(山脇/グローバル・フェスタJAPAN内)

11-2.組織・財政基盤強化
11-2-1.年末募金キャンペーン実施

会員・寄付者や関係者に対し、年末募金の呼びかけを行い、寄付収入向上に努めた。

11-2-2.募金サイトへの登録

募金サイト「Yahoo!ボランティア」「NGOサポート募金」「イーココロ!」への参加を継続し、インターネット上からの寄付収入を獲得した。

11-2-3.インターン・ボランティア等の受け入れ

ケニアでの活動に参加するインターンを募集し、7名をケニアへ派遣して、昨年から継続で滞在していた者と合わせて9名が、現地での研修を受けながら業務補助として活動に従事した。

国内での活動に参加するボランティアを常時募集し、新たに2名の参加を得て、これまでのボランティアやスタッフ・インターンOBOGら合わせて6名が事務局業務への協力を行った。

11-2-4.会員

321日に会員総会を開催し、2008年度活動報告・会計報告が承認され、2009年度活動計画・予算が決定された。定款の変更について、電磁的方法による表決の追加が決定された。

16名・団体(一般会員9名、賛助会員5名・2団体)の新規入会者があり、16名の会員が会費期限切れによる退会となり、4名が自主退会した。1231日現在の会員数は、114名(一般会員66名、賛助会員48名)となった。

11-2-5.役員

(1)以下の通り、理事会を開催し、主に以下の事項について審議を行った。

321日:総会に付議すべき事項について
75日:事業経過報告および今後の展開(人事含む)、収支報告見込み(上期)および予算(下期)

111日(理事懇談会):事務局の今後の体制、理事改選、事業および資金調達進捗報告
1226日:2008年度事業経過および2009年度の計画について(会計を含む)

(2)年間を通じ、理事メーリングリストを利用して、事業と組織の運営について協議を行ったり、資金調達につながる情報収集や外部会議の情報共有など事務局のサポートを行った。

(3)インターンおよびスタッフの採用にあたって、役員が書類(一次)と面接(二次)の審査を行った。

(4)監事は、2月に内部監査を実施したほか、年間を通じて事業および組織運営の監督・相談対応を行った。

11-2-6.他団体との連携・ネットワークの活用

主に、国際協力NGOセンター(JANIC)正会員として得られる機会を活用し、当会および日本のNGOにとって、情報収集や一般市民への認知度向上、組織・財政基盤強化につながるよう、政府機関・他団体との連携やネットワークの機会に参加した。

11-2-6.認定NPO法人申請の検討

他団体が実施する勉強会に参加し、当会の申請に向けて要件の確認および検討を行った。

※認定NPO法人とは、一定の要件を満たすNPO法人に国税庁長官の認定を受けたもので、寄附に関する税制上の特例措置が受けられます。

11-3.外部の会議・ネットワーク・調査研究等への参加・協力

当会がこれまでの活動から蓄積してきた経験や知見を、内外に公開したり、政策提言や国際協力の改善などに役立てたりするため、外部講演等への協力や講師派遣、各ネットワークへの参加、調査研究などへの協力、出版物への寄稿・取材協力、他団体・一般市民からの相談業務などに、できる範囲で対応した。

11-3-1.外部講演等への協力・講師派遣など

213日:藤沢北ロータリークラブ定例会「ケニアにおけるエイズへの取り組みについて」(山脇)
519日:仙台市立七郷中学校 総合学習の受け入れ(山脇)

624日:参議院国際・地球温暖化問題に関する調査会(第8回)「日本の国際社会における役割とリーダーシップの発揮」『アフリカをいかに助けるか(アフリカ援助の現状と課題)』へ参考人招致(永岡)

723日:川崎市立宮崎小学校チャレンジスクール「世界の国々をみつめて」(橋場美奈)

1022日:鳩ヶ谷市立里中学校 総合学習の受け入れ(山脇)

11-3-2.政策提言やネットワークへの参加

教育協力NGOネットワーク(JNNE)会員団体、運営委員として、JNNEが行う調査研究、政策提言活動に参加した。また、JNNEが参加するGlobal Campaign for EducationGCE)による世界同時行動として、420日から26日に行われた「世界の子どもに教育を」キャンペーン「世界一大きな授業」に、賛同団体として参加した。
G8サミットNGOフォーラムおよびTICAD NGOフォーラム TNnet)が解散した。

新たにGCAPGlobal Call to Action Against Poverty JAPANとして結成された「動く→動かす」に、フレンズとなり、TICADアドボカシー・チームにも参加したが、実際の活動にはあまり参加ができなかった。10月に行われた世界同時行動の「STAND UP TAKE ACTION」に協力した。

11-3-3.調査研究などへの参加・協力

研究者や大学生の調査研究の依頼などに、可能な範囲で協力した。

11-3-4.出版物等への寄稿・取材協力

(特活)国際協力NGOセンター(JANIC)ウェブサイト スタッフロングインタビュー(永岡)

以上